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山の気候を活かして生まれた特産品 ホワイト六片にんにくのモノがたり

涼しい気候を活かして

急峻な山々に囲まれた五木村では、田畑が占める面積はごくわずか。大規模営農や機械化による効率化が難しく、農業には不向きとも言われるが、五木村の地形や気候を活かし、10年ほど前からホワイト六片にんにく栽培が営まれている。

ホワイト六片にんにくは、青森県が特産地として知られ、雪のような白さと大きさ、濃厚な味わいが特徴の大粒にんにくだ。温暖な九州地方での栽培は難しいとされてきたが、東北地方の気候に近い、五木村は山間地ならではの冷涼な気候に着目。現在、少しずつ生産量を伸ばしている期待の農作物だ。

厳しい自然が育む大粒にんにく

六片にんにくは、秋の初めに植えてそのまま冬を越し、初夏に収穫する。植え付けから収穫まで8カ月と栽培期間が長い。10月半ば、たっぷりと草や堆肥をすき込んでふかふかに土作りをした畑にマルチを張り、手作業で1片1片、にんにくの鱗片を植え付けていく。
「山間地の農業は手間も苦労も多かばってん、ここは六片にんにくには適した環境。五木村産ホワイト六片としてブランド化して、たくさんの人に知ってほしかですね」。

中村弘信さんは、五木村南部の瀬目地区の生まれ。標高600mに位置する、現在5世帯14名が暮らす小さな集落だ。集落近くに開墾された農地で、六片にんにく生産に熱心に取り組む生産者の一人。現在、村のにんにく生産組合の組合長も務めている。

秋に植え、芽を出したにんにくは、厳しい五木の冬の寒さに耐えて春を待ち、やがてぎゅっと身の詰まった大粒へと成長する。6月初め、中村さんのにんにく畑では収穫作業が行われていた。両手で葉をぐいと引っ張ると、太い茎の根元の土から、白く輝くにんにくが顔を出した。

「普通の八片にんにくよりか、手間はかかると思います。収穫時期はちょうど梅雨に入る頃で、長雨が続けばどうしても病気が出るし、収穫適期を見極めんと見た目も悪くなる。収穫直前の2週間はほぼ毎日畑を見回り、葉っぱの色やにんにくの大きさば見ながら、細やかな栽培管理ばせんばんです」。

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